〈脳と文明〉の暗号 マーク・チャンギージー
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池谷裕二.icon なるほど、そうくるか――。 革新的な仮説に唸り声をあげながら読んだ。言語や音楽に少しでも関心がある人には皆、この驚きを味わってほしい 伊藤亜紗.icon 目の見えない人が聴覚で世界を感じ取るように、私たちの耳も、見えていない出来事を見る力を持っている。度肝を抜かれた
文字は長い年月にわたって文化的な淘汰を受けながら、人間の視覚系に適したメカニズムになっている
言語は自然界の音の模倣になっている
言語というのは、そうしたヒト以外にも備わった自然の音に対する反応機構を利用するように発達してきたのだ!!
チャンギージーによれば、私たちが文字で書かれた文章をものすごいスピードで処理できるのは、それがものに似ているからだ。複数のものが隣接していたり、部分的に隠れていたりするとき、輪郭線は互いにさまざまな仕方で結合する。逆に言えば、その結合部分のパターンを見れば、ものがどのような仕方で配置されているかが分かる。ところで、世界中の言語で用いられている文字は、要素に分解していくと、実はこうした結合部分にあらわれる特徴的なパターンから作られている。つまり文字は、私たちが自然界を認識するときに用いている能力をそのまま転用できるようにデザインされているのだ。
私たちが進化の過程で手に入れたと思っている本能は、実はもともと自然の中で培われた脳の機能をうまく再利用して、転用したものにすぎないのだ
また音楽も、歩行のリズムから発生し、強弱や音の性質が自然の音の性質に対応するようになっている
「ボールなど固体は、停止するときリズムが早くなるが、ヒトは逆に止まるときにリズムがゆっくりになる。ヒトの止まるときの足音を真似て、音楽も終わるときにリズムがスローダウンする